Patriot
栄光に飾られたそれを
僕は手に出来なかった
あの日
突然の黒い雨、
すべてを奪い去っていった
だから
どんな傷、
痛みにも
耐えて
ただ前へ
進み続けたんだ
笑い声、
泣き声も
全部
消えてしまったこの街
銃声と怒号
飛び交った金属で区切られた
―セカイ―
不協和音
鳴り止まぬ
逃げ出せもしない残酷な
―ミライ―
平穏な街だった
何もない
だけど綺麗な街だった
鳥のさえずりが
ほら
こんなにも遠い
記憶、懐かしい
自分勝手な言い訳で
どれほどの憎しみが生まれる
"優しさのカケラもない言動で誰を救えるのか"
沈む月が
まだ明けたくないと
抵抗しながら涙を流す
枯れる花が
まだ咲いていたいと
赤い樹液と共に叫んだ
通り過ぎた季節だけが
知っている真実は
歴史の本や
教科書には載らない
誰も知らない
あの日、
僕が目にした"Patriot"
真っ直ぐ白い雲に紛れて
沢山の不幸を連れてきた
【悪魔】と
同化したような表情(かお)をしてた
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