BAD END

2014年04月29日 15:53




落としたガラスで

何かに気付いたね



零れた赤ワインが

白い服を染めていく



弾かれたように飛び出した"外"



『待って』と手を掴まれ



どこまで行くの?

・・・血相変えて



その問いには答えず

走り出した




囚われた姫は

やがて来るあの人を思う



それだけで生きる意味に

繋がった。



・・・けど、



待てど暮らせど来ない

あの人は今どこに



ねぇ、もう待てないよ





分かり合えないものと

決め付けていただけ



箱の中身が何か

気にすることもなく



群れたカラスが

死者を知らせる



雷が鳴り響く



降りだした雨

傘も持たずに



焦げた街を彷徨い歩く




壮絶な景色だけ

壮大な空に映え



眩暈で吐き気と痛みで倒れた



なぜ私だけが今

ここで息をしているの



思い出せない

誰かの声が木霊する



張り裂けそうな胸で

あと何を見ればいい



霞むのはこの涙のせいだけなの?



『助けて』と呼ぶ声も



『逃げて』と叫ぶ声も



綺麗な調和で動けない・・・






 


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